震災後の病気、人数に注意

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 震災後の私たちの健康の状況を知りたいとき、病気の人数が増えた、減ったといった多くの数字が登場します。これらの数字は分かりやすい半面、その意味を知るにはいくつかの注意が必要です。

 風邪を例にしましょう。大きな風邪をひいて病院に行く人もいれば、病院には行かずに家で休んで治す人もいます。軽い症状で、気づかずそのまま仕事をする人もいるでしょう。すると、実際に風邪をひいた人の数は、風邪で病院を受診する人の数よりも随分大きくなることがお分かりいただけると思います。

 ただ、風邪で病院を受診した人の数は、以前の記録を調べれば分かるかもしれません。しかし、実際に風邪をひいた人の数は、皆さんに聞いて回らなければ分かりません。

 ここで、風邪をひいた人の数を知るために、アンケートで聞いて回るとどうなるでしょう。風邪をひいても病院を受診しない人がたくさんいるため、調べて分かった風邪をひいた人の数は、以前の記録から分かる病院を受診した人の数よりも大きくなります。

 すると、まるで風邪をひいた人の数が以前より増えたように見えてしまうのです。今回は風邪を例にしましたが、これはどんな病気でも同じです。○○の病気が○○倍に増えた。といったような安直な表現には注意が必要です。