病院ごとに患者数を算定

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 震災後の私たちの健康の状況を知りたいとき、病気の人数が増えた、減ったといった多くの数字が登場します。これらの数字は分かりやすい半面、その意味を知るにはいくつかの注意が必要です。

 震災後、住む場所が変わったり、病院やクリニックが閉じたりと、さまざまな理由でかかりつけの病院を変えざるを得なかった方は多くおられると思います。

 かかっている病院が増えると、それだけで、その地域の病気の数が増えたように見えることがあります。

 例えば、とある患者さんが何らかの「がん」で、以前とは別の病院へ移動した場合を考えてみましょう。個人情報保護の観点からも、病院は患者さんの情報を簡単に外部に出すわけにはいきません。すると、その地域での病気の方の人数を数える際、同一の患者さんを二つの病院で1回ずつカウントし、結果として合計が増えてしまうといった事態が起こってしまいます。

 加えて、例えば、病院に新しい医師が赴任すると、それに合わせて治療できる病気の種類が増えます。そうすると、患者さんがその病院に集まり、結果として地域でその病気が増えたように見えてしまうのです。

 これはどんな病気でも同じです。○○の病気が○○倍に増えた。といったような安直な表現には注意が必要です。