福島県川内村を舞台とした映画の撮影が4日、同村で始まった。村民との交流を通して脚本が執筆され、村民も映画に出演する。脚本・監督の松本卓也さん(47)は「オリジナリティーのある楽しい作品を村の人々と一緒に作る。挑戦を感じてもらう作品にしたい」と意気込んだ。
経済産業省の「ハマカルアートプロジェクト」の一環。松本さんは映像制作チーム「シネマ健康会」の代表で、人間味あふれるストーリーを得意とし、国内外の映画祭で受賞経験がある。
松本さんは11月に村民と交流し脚本の構想を練った。今作は「心がない宇宙人と村の人々の交流を描く心温まるコメディー」で90分の長編作品。撮影は13日まで続け、重要な登場人物やエキストラ、裏方スタッフで村民らの力を借りる。
主演は、ネットフリックスドラマ「極悪女王」でジャガー横田役を熱演した水野絵梨奈さんや、映画や舞台で活躍する俳優の後藤龍馬さん。村民役には須賀川市出身の俳優森恵美さんがおり「全国から村を訪れる人が増える作品にしたい」と復興に貢献する考えだ。
初日は同村の日帰り温泉施設「かわうちの湯」などで撮影を繰り広げた。スタッフの中にはいわき市出身のカメラマン高橋周平さん(27)もおり「川内村のPRにつなげたい」と語った。
映画は来年2月に完成させ、村内でお披露目上映会を開く。国内外の映画祭に出品する予定。エキストラやボランティアスタッフを募っており、特に6日は大人数の撮影を予定している。問い合わせはシネマ健康会スタッフ(電話090・6204・9623)へ。