任期満了に伴う双葉町長選は16日告示され、無所属で現職の伊沢史朗氏(66)=3期=のほかに立候補の届け出がなく、3期連続となる無投票で4選を果たした。
東京電力福島第1原発事故による全町避難を経て2022年8月に町の特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示が解除され、町民が帰還してから初の町長選となった。伊沢氏は居住人口の拡大を掲げ、住民が帰還できる「特定帰還居住区域」の拡大、インフラ整備の拡充、新たな人材が参入できる仕組みづくりなどを訴えた。
当選証書付与式は27日午前11時から、双葉町役場で行われる。任期は3月10日から4年。
居住人口の拡大、急務
【無投票の軌跡】双葉町長選は現職の伊沢史朗氏(66)が無投票で4選した。2022年8月に特定復興再生拠点区域(復興拠点)での避難指示解除を実現させ、町への帰還を果たすなど、着実に復興への歩みを進めた実行力が有権者の信任を得た。
昨年12月の出馬表明後、対抗馬が立つ動きは表面化しなかった。3期連続の無投票となり、古里の継続した発展に向けてかじ取り役を委ねる形となった。
一方で、避難の長期化で町民の帰還の動きは鈍く、居住人口は震災前の約2%にとどまる。居住環境の整備や関係人口の拡大に向けた取り組みは急務だ。また復興の加速に必要な財源を確保するため、国や県との連携も課題となる。町のにぎわいを取り戻すために明るい将来像を示せるか。真価が問われる4年間となる。(浪江支局・佐藤智哉)