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31日に解除が正式決定 飯舘、葛尾の計26ヘクタールの避難指示

2025/03/08 12:00

 政府は7日、東京電力福島第1原発事故による帰還困難区域のうち、飯舘、葛尾両村の計約26ヘクタールの避難指示を3月31日午前9時に解除することを正式に決めた。いずれも事業用地で、住民の帰還を伴わない土地活用を条件に避難指示を解除する国の仕組みを使う。

 この仕組みでは、住民が居住しない土地で年間被ばく線量が基準値を下回ることなどを条件に避難指示が解除される。この仕組みを用いるのは2023年5月の飯舘村の公園用地に続き2、3例目になる。

 飯舘村は長泥地区の堆肥製造施設とその周辺の農地計約6・2ヘクタールが対象。葛尾村は野行(のゆき)地区の計19・9ヘクタールで避難指示が解除され、2社の風力発電所の事業用地となる。

 正式決定を受け、飯舘村の杉岡誠村長は「村の再生と発展につながる避難指示解除がまた一つ果たせる。解除後も行政として責任を果たしつつ、地元の方々と一緒に『花の里長泥』の再生という目標に向かって歩んでいきたい」と述べた。

 葛尾村の篠木弘村長は「避難指示解除が風力発電所の円滑かつ安定的な事業運営の後押しとなり、復興が前進することを期待している。帰還困難区域全域での避難指示解除に向けて、引き続き取り組んでいく」とコメントした。

 富岡の除染や解体、年度内分完了せず

 環境省は7日、富岡町の帰還困難区域に設定された特定帰還居住区域で昨年9月から行われている除染や家屋解体工事で、発注分の除染21ヘクタール、家屋解体50件が工期である年度内に完了しない見通しを明らかにした。7日に町役場で開かれた町議会全員協議会で示した。

 同省によると、除染は5日時点で8・4ヘクタールが完了し7・9ヘクタールで着手、家屋解体は18件が完了し16件で着手している。人手不足や作業開始の遅れなどが要因としている。

 新年度の発注は公告中で、本年度に着手できない分を含めて除染は82ヘクタール、解体は80件を予定している。

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