東京電力は16日、福島第1原発6号機に保管していた使用済み核燃料1456体の取り出し作業を完了したと発表した。これにより安全面のリスクが低下し、廃炉へ前進した形だ。ただ未使用の燃料が使用済み核燃料プール内に198体、新燃料貯蔵庫に230体の計428体残っており、東電が取り扱いを検討する。
東電によると、6号機では2022年8月から、使用済み核燃料1456体を段階的にプールから取り出し、構内で各号機の核燃料を集中保管する「共用プール」に移動させてきた。
当初は23年度の取り出し完了を計画していたが、燃料を入れる「キャスク」と呼ばれる金属製の容器の気密性が確保されない不具合があったことや、これに伴い核燃料を洗浄する工程が増えたことなどから、1年近く作業が遅れた。
7月にも5号機着手
6号機の完了を受け、東電は7月、第1原発5号機で使用済み核燃料の取り出し作業に着手することを計画している。2号機でも取り出し準備を進める。2号機の準備が整った段階で5号機の取り出し作業をいったん中断、炉心溶融(メルトダウン)を起こした2号機からの取り出し作業を優先させる方針だ。