東京電力は21日、福島第1原発で汚染水を保管していたボルト締め型タンク群の解体で、完了時期が当初予定の12月から来年2月に2カ月ずれ込むとの見通しを示した。タンクの底にたまった放射性物質を含む汚泥の回収を今月中に終える予定だったが、粘り気が強い汚泥の回収に時間がかかり、完了が6月になるため。
東電によると、タンク群にあったボルト締め型タンク49基のうち、48基の解体が終わり、残りは1基になった。このタンクには放射性セシウム除去装置で浄化後、淡水化処理した汚染水が保管されていた。タンクの底には一連の工程により濃縮され、粘り気が強くなった汚泥がたまった。
このため汚泥を別の保管容器に移し替えて回収しており、作業員の身体汚染と放射性物質の飛散を防ぐための追加対策を取った。東電は「安全最優先で慎重に作業を進める」としている。