日本原子力研究開発機構は29日、東京電力福島第1原発から2回目の試験的取り出しで回収した溶け落ちた核燃料(デブリ)の分析結果を公表した。初回よりも1~2メートル奥の格納容器中心部に近い場所で採取しており、初回の黒色とは異なる茶色に近い褐色が特徴で、初回にはなかった空洞が確認された。今後も1~1年半かけて詳細な分析を継続していく。
機構によると、計11個のデブリが確認された。約5ミリ×約4ミリほどのデブリが1個、1ミリ以下程度のデブリが10個だった。
最も大きいデブリの重さは0.177グラム、11個の総重量は計0.187グラムだった。
容器に収納した状態で線量を測定した結果、核分裂で生じる放射性物質ユーロピウムや核燃料に含まれるアメリシウムなどが検出された。線量は初回の約8ミリシーベルトより低い0.3ミリシーベルトだった。
新たに確認された空洞について、機構は溶け落ちた燃料の粘性が高かったことから、デブリ内からガスが抜けずにできたと推測。色に関しては酸化した鉄の影響で茶色に近い褐色になったとみている。
東電は4月23日、2度目のデブリを取り出しに成功し、茨城県大洗町にある機構の研究所に搬出した。同28日から同機構が分析を進めていた。