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除染土、19日・首相官邸へ搬出 環境省発表、再生利用に使用

2025/07/19 08:30

 東京電力福島第1原発事故に伴う福島県内の除染で出た土壌を巡り、環境省は19日、中間貯蔵施設(大熊町、双葉町)から首相官邸での再生利用に使用する土壌を搬出する。18日、発表した。安全性を確認する実証事業以外で土壌を再生利用する全国初の取り組みとなる。

 首相官邸では前庭の一角に除染土壌を縦横それぞれ約2メートル、高さ約0.6メートル積み、通常の土をかぶせた上で、表面に芝生を張って再生利用する計画。19日は中間貯蔵施設から土壌約2立方メートルを車両に積んで搬出する。同省によると、土壌が官邸に到着し次第工事に着手、月内に工事を完了する。

 政府は今後、東京・霞が関の中央省庁でも夏ごろの再生利用を目指しているが、今後のスケジュールは未定となっている。

 立地町首長は期待感

 中間貯蔵施設が立地する大熊、双葉両町は、土壌の県外最終処分に向けた前進につながると期待感を示した。

 吉田淳大熊町長は「官邸前庭という限定された場所での活用だが、政府が率先して事例を示すことで取り組みの加速化を期待する」とコメント。伊沢史朗双葉町長は「政府が先行事例をつくることは一定の前進と受け止める。今回の事例を実用途での再生利用に波及できるかが鍵だ」とし、引き続き国に着実な取り組みを求める考えを示した。

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