学校の授業など教育現場で新聞を活用する「NIE(教育に新聞を)」の普及や先進事例を共有する第30回NIE全国大会は最終日の1日、神戸市で分科会として公開授業や実践発表が行われた。本県や全国各地から集まったNIE実践校の教諭らが新聞の効果的な活用方法に学びを深めた。
このうち甲南小(神戸市)は公開授業で、新聞を紹介して最も読みたくなった記事を投票で決める「シンブリオバトル」を実施した。4年生約30人が新聞から「推し記事」を選び、疑問に思ったことやそれに対する自分なりの答え、伝えたいことをノートにまとめて発表。暑さに強い体づくりや、鹿児島県十島村にあるトカラ列島近海で発生した地震を取り上げた記事を紹介し、意見を交わした。
また網干(あぼし)高(兵庫県姫路市)の佐々木浩二教諭が「地域に根差した小高連携NIE実践~地域防災と防災ツーリズム」と題して発表した。佐々木教諭は、新聞記事の情報を生かし、防災をテーマとした探究活動を展開した実践事例を紹介。さらに、同じ地域で過ごす小学生と高校生が防災について調べたことを伝え合う「小高連携授業」の成果を報告した。
会場ではポスター発表も行われた。福島県NIE推進協議会は、県内の子どもたちが東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興を取材して新聞を作る「ジャーナリストスクール」の活動を紹介した。
次回の全国大会は来年7月30、31の両日、広島市で開かれる。