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富岡町長に山本育男氏再選 新人・高橋実氏に2944票差

2025/08/04 07:40

再選を果たし万歳する山本氏(右)と妻の智子さん

 任期満了に伴う富岡町長選は3日、投票が行われ、即日開票の結果、現職の山本育男氏(67)=無所属、1期=が3703票を獲得し、新人の元町議会議長高橋実氏(68)=無所属=に2944票差をつけて再選を果たした。任期は6日から4年。

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興に加え、町内に残された帰還困難区域の再生策や、伸び悩む町内居住者の増加策など、町復興のかじ取り役を選ぶ選挙となった。山本氏は1期目の施策や今後の方向性を示し、町政継続を訴えて支持を広げた。投票率は46.02%で、前回を5.49ポイント下回り、過去最低を更新した。当日有権者数は9785人(男性5111人、女性4674人)。当選証書付与式は4日、町役場で行われる。

◇富岡町長選開票結果(選管最終、敬称略)
 当3,703 山本 育男 67 無現
    759 高橋 実 68 無新

 町政継続で復興訴え

 現職と新人の一騎打ちとなった富岡町長選。明確な争点はなく、課題山積の町の復興のかじ取り役を選ぶ選挙となった。町民は、町政継続によって復興の進展を訴えた現職の山本育男氏を選んだ。

 山本氏は1期目の取り組みやさらなる復興への施策を訴えたほか、現職としての組織力を生かして支持を拡大した。一方、元町議会議長の高橋実氏は、町議8期の経験や現職との違いを強調して復興の加速化を訴えたが、浸透しなかった。

 同町を巡っては、震災前の町民の8割超が町外で避難生活を送る。選挙戦では、両候補とも町民が多く暮らす町外に選挙カーで訪問したが、町民以外への配慮に苦労したとの声もあった。

 町には復興の停滞感が漂う。前回町長選で山本氏を応援した高橋氏だったが、停滞感の打破を理由に今回は対抗馬となった。山本氏には、より町民が復興の前進を実感できるような町政運営が求められている。

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