もし、あの偉人が福祉を担う人にメッセージを送るなら―。福島県社会福祉協議会は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の被災地の福祉、介護人材の確保につなげようと、CM動画を制作した。生成人工知能(AI)に野口英世やマザー・テレサなどの偉人に成りきってもらい、福祉人材に当てた感謝や敬意のメッセージを作成。映像とナレーションでエールを送る。県社協が8日、動画をお披露目した。
動画は6編で、それぞれ15秒、30秒、60秒版を用意した。本県ゆかりとして野口英世と母シカ、瓜生岩子、土方歳三のほか、世界的偉人のマザー・テレサ、ナイチンゲールを採用。「被災地を勇気づけた」としてフラガールもメッセージを送る。
野口英世の動画では「私は遠くで学んだ。でも、本当に人を救うのは、そばにいる誰かのまなざしなんだ」と語られる。動画の映像はいわき市や富岡町の介護施設で撮影した。メッセージを際立たせるために、偉人の画像や映像はあえて使用しなかったという。
動画広告は民放公式配信サービス「TVer(ティーバー)」やインターネットテレビ「ABEMA」、動画投稿サイトのユーチューブなどで配信される。若年層にも見てもらおうと、インスタグラムでは縦型動画を配信。県社協のユーチューブ公式チャンネルでも公開している。
高野武彦副会長は「本県、特に浜通りの福祉、介護人材の不足は深刻だ。動画を見た人が仕事に誇りを持ったり、業界に挑戦してみようと思ったりしてもらえれば」と期待した。