土壌物理学の国際会議「カーカム会議」が19日、Jヴィレッジ(福島県楢葉町、広野町)で開幕した。世界の土壌物理学者ら約100人が集い、最新の土壌問題を議論しているほか、東京電力福島第1原発事故に伴う県内の除染で出た土壌を巡る県外最終処分の課題にも理解を深める。
会期は22日まで。米国の土壌物理学創始者のドン・カーカム博士にちなんでアメリカ土壌科学会が4年に1度開いており、アジアでは初開催。「土壌汚染物質の環境運命と輸送」などのテーマを設け、講演や意見交換、ポスターセッションなどを実施している。
20日には中間貯蔵施設や東日本大震災・原子力災害伝承館などを見学。21日には飯舘村長泥地区の実験サイトを巡り、本県復興の現状を視察する。東京大大学院農学生命科学研究科の溝口勝特任教授は「福島の課題を世界の研究者に発信する機会にしたい」と語った。