常磐道南相馬鹿島サービスエリア(SA)周辺開発を巡り、南相馬市は25日までに、基本計画を策定した。開発後の年間利用者数見込みは現状から100万人増の約250万人で、2030年4月の完成を目指す。市と民間事業者がタッグを組み、地域資源を生かした施策を推進する。
市が15年に整備した商業施設セデッテかしまは年間100万人以上が来訪。県内有数の集客力を市内の地域活動や経済に波及させるため、23年から周辺開発の検討を進めてきた。
計画では、セデッテかしまを含む既存エリアの3.1ヘクタール、周辺の新エリア8.0ヘクタールを開発。さらなる事業拡大も想定し、ほかに12.3ヘクタールの土地も確保する。駐車場も拡張する。
市によると、官民連携の取り組みが大きな特徴という。用地取得は市が行い、事業契約を市と結んだ民間事業者が飲食や物販、宿泊・温浴施設、自然体験施設など各種事業に取り組むことを想定。国指定重要無形民俗文化財「相馬野馬追」に特化した伝承施設なども整備する予定。
市は、有識者らでつくる検討委員会が取りまとめた最終案について6月、パブリックコメントを行い、寄せられた48件の意見を踏まえて基本計画を策定した。
また埋蔵文化財が区域内にある可能性もあることから、市は来年度に調査する予定。