トマトの生育に悪影響を及ぼす「トマト黄化葉巻病」が郡山市で初めて確認された。被害防止策を自己負担で講じている生産者へ補助金を交付するため市は9月補正予算案に緊急対策として540万円を計上した。
トマト黄化葉巻病は、タバココナジラミ(体長約0.8ミリ)という病害虫がトマト黄化葉巻ウイルスを媒介し、トマトなどの一部農産物に被害を与える。
特にトマトやミニトマトは感染、発病すると葉が黄色くなって表側に巻き込まれ、生育が停滞し収穫が皆無となる恐れもある。トマト生産地で発生すると甚大な被害が予想される。
県内では過去に複数地域で発生しており、市によると同市では昨年5月に確認された。被害地区での年間の減収量と被害額の推計値は、昨年度の年間出荷量と販売額の約7割となる約157トン、約5180万円に上る。郡山で被害が確認されたのは旧市内と富久山、日和田、田村、西田の各地区。この該当エリア内での認定農業者28戸の作付け面積は約3.6ヘクタール。生産者は防虫ネットや土壌消毒剤などによる対策、耐病性品種への転換など、被害のまん延防止に取り組んできた。
市は補助金交付のほか、国や県へ被害対策への支援を要望している。