東京電力福島第1原発事故に伴い福島県内の除染で出た土壌などの県外最終処分に向け、石破茂首相は27日、政府が取りまとめた工程表に沿って、除染土壌などの処分を着実に進めるよう浅尾慶一郎環境相と伊藤忠彦復興相に指示した。
政府は放射性セシウム濃度が1キロ当たり8000ベクレルを下回る土壌について、公共事業で再生利用し、処分量を減らす方針を掲げる。浅尾氏は首相官邸での会談後、報道陣に「県外最終処分の前に再生利用できる物について、しっかりと利用していく」と述べた。
政府は26日に開いた全閣僚会議で、今後約5年間に取り組む事項の工程表を取りまとめた。
2030年ごろに最終処分場の候補地の選定を開始し、35年をめどに処分場の仕様を具体化させた上で、候補地を選ぶ方針を示した。
第1原発の周辺を囲むように整備された中間貯蔵施設(大熊町、双葉町)には除染土壌と廃棄物計約1410万立方メートルが保管されている。搬入開始から30年となる45年3月までに、県外最終処分を完了すると法律で決まっているが、候補地選定は進んでいない。