日本原子力研究開発機構(JAEA)は28日、東京電力福島第1原発2号機で今年4月に試験採取した溶融核燃料(デブリ)は、海水などが由来とみられる成分が検出されず、昨年11月の採取分とは構成が異なるとの分析結果を発表した。
機構によると、ケイ素、カルシウム、アルミニウムが検出されなかった。一方、燃料由来とみられるウランや燃料を覆う金属管のジルコニウムや鉄などは前回と同様に検出された。
今回分析したデブリは、前回よりも原子炉建屋の中心部に近い場所で採取された。機構は採取位置の違いが成分に影響した可能性もあるが「今後の詳細分析の結果を基に評価する必要がある」としている。
また、昨年採取したデブリと同様に高密度と低密度の場所があり、人力で壊せる硬さだった。デブリは、4カ所の分析機関に分け、今後約1年かけて詳細な分析を進めていく。
第1原発1~3号機にはデブリが計880トンあると推定されている。東電は昨年11月、約0.7グラムのデブリを回収。今年4月には約0.2グラムを採取した。