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フィッシングで情報入手か 不正注文、アカウント悪用 トクリュウ窃盗事件

2025/10/15 09:10

 インターネットショッピングサイトで他人名義のアカウント情報を利用して商品を盗んだとして、男2人が私電磁的記録不正作出・同供用と盗み、詐欺の疑いで逮捕、起訴された事件で、福島県警は14日、匿名・流動型犯罪グループ(通称・トクリュウ)とみられるメンバーが、偽サイトに個人情報を入力させる「フィッシングメール」を送信し、被害者のアカウントやカード情報を入手していたと明らかにした。

 県警サイバー犯罪対策課によると、事件の手口は【図】の通り。起訴された岡山市、会社役員、被告(28)は商品の転売役、大阪府泉南市、投資関連商品販売業、被告(24)は受け取った商品を中古品買取事業者に転送する荷受け役を担っていたとみられる。24歳被告は闇バイトを通じて事件に加担し、バイト料として商品一つ当たり数千円を受け取っていた。

 転売して得た利益は暗号資産などに換え、資金洗浄したとみられる。県警はアジア人とみられる指示役のほか、フィッシングメールを送信した情報窃取役、商品を不正に注文した注文役の特定を進めている。

 県内の被害増加

 県内ではフィッシングによる被害報告件数が増加しており、県警が注意を呼びかけている。県警によると、県内の今年1月からのフィッシングによる被害報告件数は35件(14日現在)で、不正送金被害額は約5500万円。6月ごろから全国的にJAのネットバンクをかたるフィッシング被害が増えており、本県でも同様の被害が大半を占めている。昨年は被害報告件数が17件、被害額が約4500万円だった。

 県警は被害防止策として〈1〉不用意にリンクを開かない〈2〉公式サイトや公式アプリを利用する〈3〉ログイン情報などを安易に入力しない―などを呼びかけている。

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