16日午前、会津若松、喜多方、昭和の3市村で男性3人がクマに襲われ、けがをした。命に別条はない。福島県によると、県内で本年度のクマによる人身被害は15人に上り、過去最多だった2023年度と並んだ。
各警察署によると、16日午前2時半ごろ、喜多方市山都町相川字白子の国道459号で、近くに住む60代男性が散歩中、クマに顔や右手を引っかかれたり、かまれたりして顔の一部が裂けるなどのけがを負った。
現場は一ノ戸川沿い。男性は自力で逃れ、300メートルほど離れた集落で倒れていたところを新聞配達員や住民に発見されたという。
同5時40分ごろには、昭和村下中津川字下新田の村道で、村内の50代男性がクマに左手の甲をかまれた。男性は集落内の新聞配達箱に新聞を取りに行ってクマと遭遇、驚いて逃げようとしたところを襲われた。
同6時20分ごろには、会津若松市大戸町芦牧字下タ平の市道で、市内の40代男性がクマに襲われ、顔や手首にけがをした。男性は出勤のためミニバイクを運転中、親子とみられるクマ3頭と遭遇。よけようとして転倒し、親グマとみられる体長約1メートルの1頭に襲われた。
付近には集落や北東約200メートルに芦ノ牧温泉街がある。芦ノ牧温泉観光協会は旅館を通して宿泊者に散策を控えるよう求めた。県警と3市村は周辺を警戒し、わなを増設した。