乾燥や強風時にたき火などを禁じる「火災警報」を2020年からの5年間で発令したことがあるのは、福島市や岐阜県高山市など6市にとどまることが総務省消防庁の調査で分かった。発令基準が不明確なことが一因だ。消防庁は適切な発令で山林火災などのリスクを減らせるとし、風速など指標を整理して、自治体が活用しやすい指針を年内にもまとめる。
調査は岩手県大船渡市の山林火災を受け、4月に実施。同市も警報を発令していなかった。全国720消防本部のうち714本部と、消防本部のない14町村が回答した。
火災警報は消防法で定められ、火災につながる恐れのある気象条件の際に、市町村長が発することができる。発令中は各市町村の条例により、たき火や歩きたばこ、バーベキューなど屋外で火を扱う行為を禁止。違反すれば消防法に基づき、30万円以下の罰金または拘留が科される。
国は1949年、発令するケースを例示する通知を出したが、その後更新していない。調査では、約4分の1の消防本部が発令基準を定めていないことも判明した。