【エルサレム共同】パレスチナ自治区ガザの保健当局は29日、2023年10月の戦闘開始以降のガザ側死者が6万34人になったと発表した。イスラエルによる支援物資の搬入制限で住民の餓死も相次いでおり、人道危機が深刻化。イスラエルに対する国際社会の批判が強まっている。早期の停戦実現が見えない中、イスラエル軍は攻撃を続けており、犠牲者のさらなる増加が懸念される。
ガザ保健当局によると、これまでの負傷者は14万人以上。多数の人が破壊された建物のがれきの下敷きになったままで、実際の死者数はさらに多いとみられる。
戦闘前のガザ人口は約222万人。死者は23年11月に1万人、今年3月に5万人を超えた。1月に停戦合意が発効したが、イスラエル軍は3月18日に大規模攻撃を再開した。攻撃再開後の死者は8800人を超える。
イスラエルは3月初めにガザへの物資搬入を全面停止。5月下旬から米イスラエル主導の「ガザ人道財団」が食料配給を始めた。だが、配給拠点に殺到する住民へのイスラエル軍の発砲が続発し、多数が死傷した。