徳島の伝統芸能で、被差別部落の人が生業にしてきた人形芝居「阿波木偶箱まわし」が1日、大阪・関西万博で披露された。演じたのはその一種で、えびすが正月に民家を1軒ずつ回る門付け芸「三番叟まわし」。トークイベントも開かれ、地元保存会が「戦争や差別、偏見によって文化が消えかけた」と歴史を説明した。
会場では「おめでとうござーい」のかけ声や鼓の音が響く中、にこやかなえびすの人形を芸人が操り、観客の頭をなでた。福を届ける芸能で、観客が人形の動きに笑ったり、拍手をしたりして見入った。
江戸時代に始まり、明治時代初期には徳島県内で約200人の芸人がいたとされるが、戦後に激減したという。