安倍晋三元首相銃撃事件で殺人罪などに問われた山上徹也被告(45)の裁判員裁判が、先月28日から奈良地裁で続いている。検察側証人の警察官らの尋問が終わり、今月13日からは弁護側証人として母親が出廷し、弁護側による情状面の立証が本格的に始まる。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の影響や「宗教的虐待」などが焦点で、裁判員の量刑判断にどう影響するか注目される。
「内容について、事実です。私のしたことに間違いありません」。初公判で被告はこう述べ、殺人罪の起訴内容を認めた。弁護側は冒頭陳述で、母親が1億円を献金し「人生が翻弄され、教団への復讐心を強めた」と主張。教団幹部を襲撃できず、教団に親和的な政治家を狙ったと説明した。
第2回公判以降は検察側証人として警察官らが出廷し、尋問で、被告が取り押さえられた際に「当たったか」と確認するようにつぶやいたことや、自宅から「殺人に関する書籍」が押収されたことを証言。手製銃に殺傷能力があったとする鑑定結果も示された。
