気持ちのよい季節となり、親子で散歩や屋外での遊びを楽しむ機会が増えてきました。気を付けたいのが交通事故です。赤ちゃんや小さな子どもと一緒に道路を通行するときには、どんな危険があるのでしょうか。県警本部の交通企画課調査官の深谷康宏さんに、子どもの道路での事故を防ぐポイントを聞きました。
ベビーカー散歩、ながら押しNG
家の近所を散歩したり、スーパーへ買い物に行ったりと、ベビーカーに赤ちゃんを乗せて歩くときは、どんなことに気を付けるといいのでしょうか。
深谷さんは「〈1〉段差や溝にタイヤが取られて転倒〈2〉傾斜で動き出してしまう〈3〉見通しの悪い交差点でベビーカーに車両が衝突する」の三つの危険を挙げます。
転倒しないためには、路面がでこぼこしていないか、段差がないかをよく確認し、通りにくい場合はベビーカーのタイヤを上げ下げして子どもへの衝撃を弱めましょう。不意の事態にすぐ対応できるよう、スマホなどの「ながら押し」などはやめて、両手でしっかり押します。ベビーカーのハンドルなどに買い物袋などをぶら下げるとバランスを崩しやすくなるので、荷物の積み過ぎにも注意が必要です。
傾斜がある場所で危険を避けるためには、「傾斜がある所では極力立ち止まらないことが大事です」と深谷さん。「買い物先の駐車場で車のドアを開けたり荷物を置いたりするときは、ベビーカーのストッパーをかけます。県外ではベビーカーが傾斜でコロコロと動き出し、車とぶつかった事例もあります」
見通しが悪い交差点では、車や自転車が来ないかをよく確認してから通行します。「ベビーカーは親より前にあるので、一番最初にぶつかってしまいます。道幅が狭い道路は一時停止など交通規制がないことも多いので、特に注意して通行してください」
車が少なくても道路で遊ばない
道路で遊んでいて車とぶつかるケースもあります。深谷さんは「道路は車やバイク、自転車が走る危険な所。遊んではいけない。ということを、日ごろから家で教えてあげてください」と呼びかけます。「道路は危ない場所。住宅街の車通りが少ない所でも、遊ばせないでください。子どもの命を守るためにも、公園などの遊べる場所を利用してください」
親が車道側歩き飛び出し止める
歩くようになった年頃から、小学校入学前ぐらいまでの子どもの歩行中の事故の原因で最も多いのが、飛び出しです。「子どもの急な飛び出しを防ぐことが一番大きなポイントです」と深谷さん。
飛び出しを防ぐために、深谷さんは「車と子どもの間に大人が入って歩くことを習慣にしてください」と呼びかけます。大人の内側を歩けば、もし車に向かって走り出しても押さえることができます。大人と車の間を子どもが歩くと、ドライバーからは小さな子どもが見えにくいため、子どもがはねられる危険性も高まるそうです。
「子どもは大人が予想しないものに反応して急に走り出すことがあります。常に目を離さず、手をつないだり、往来が多い所では抱っこしたりするなどの対応が必要です」。県内でも、つないでいた手がふと離れた隙に子どもが走り出して自転車とぶつかった事故もあるそうです。
子どもと道路を歩くときは、車と子どもの間に大人が入って歩くと安心です。車の往来が多い場所では手をつなぐ、小さい子どもなら抱っこするなどして事故を防ぎましょう
大人よりも先に車から出さない
子どもが車とぶつかる事故が起きやすいのが、自宅敷地内です。車で帰宅後に子どもが先に降車し、親が切り返しや駐車をしている際に子どもをひいてしまう、というケース。「子どもは車のそばにはいないだろう」「家の中に入っただろう」と親が思っても、実は車のそばに子どもがいる場合があり、危険です。
お店の駐車場で子どもが先に降りてしまい、ほかの車にはねられる、などの事例もあります。
事故を防ぐためには、どんなに子どもが降りたがっても、運転を終えてエンジンを切ってから車から降ろす、ということを徹底しましょう。子どもがドアを開けられないようロックしておくことでも、予期せぬ事故を防ぐことができます。
ヘルメット着用、お手本を見せる
自転車に乗る際は、日ごろから親が交通ルールやマナーを教えることの大切さを深谷さんは指摘します。「大人が分かっていることが、子どもにとっても『当たり前』になるまでしっかり教えてあげてください。子どもの後ろを大人が自転車で走り、子どもが交通ルールを守れているかを確認しましょう」
自転車に乗る際はヘルメットを着用すると救命効果が高まります。中学生は高い装着率ですが、高校生になると「邪魔」「格好悪い」などの理由でかぶらなくなってしまうそうです。小さな子どもにはヘルメットをかぶせ、保護者自身はかぶらない、というケースもあります。深谷さんは「交通事故は自分ごと。大人は子どもの見本。命を守るためにも自転車に乗る際はヘルメットを装着してください」。
自転車に乗るときはヘルメットをかぶると救命効果が高まります。子どもだけでなく、大人もかぶって命を守りましょう
明るい服を着て反射材を付ける
子どもが夜間に道路を歩かなくてはいけない場合は、子どものバッグや靴などに反射材を付ける、明るい色の服を着せるなどの対策が事故防止に効果的です。
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子どもの肌、髪の悩み回答 福島で5月12日
福島民友新聞社と福島中央テレビの共同キャンペーン「ふくしま子育て応援隊」は5月12日、福島市のコラッセ福島で「親子で学ぼう!ヘアケア&スキンケア」イベントを開きます。時間は午前10時~同11時、午後1時~同2時の2回で各回親子30組(主に未就学児が対象)を募集しています。
同イベントは福島市の後援、化粧品や薬品メーカー「クラシエ」の協賛、ドラッグストア「ハシドラッグ」の協力。福島中央テレビアナウンサーの同応援隊ナビゲーター大橋聡子さん、クラシエヘアマーケティング部の綿引志帆さん、ハシドラッグの橋浦英二郎副社長、じんキッズクリニック小児科医の酒井信子副院長が、子どもたちの肌や髪の悩みに答える座談会を開きます。シールを貼ったりペンで描いたりしてデコボトルを作るワークショップ、絵本の読み聞かせなどもあります。
来場者には「マー&ミー泡で出てくるボディソープ」などクラシエ商品をプレゼント。参加希望者は30日まで「ふくしま子育て応援隊」のホームページから申し込んでください。応募者多数の場合は抽選。問い合わせは福島中央テレビ営業企画部(024・923・3306)へ。