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医療機関、震災前の36% 避難12市町村、厳しい経営続く

2025/03/26 08:40

 東京電力福島第1原発事故で避難指示が出るなどした12市町村で患者を受け入れている医療機関(薬局を含む)は48カ所で、東日本大震災前(132カ所)の36.4%となった。ただ、楢葉町にある精神科の診療所が今月末で廃業する見通しで、被災地の医療機関は深刻な人材不足や、採算を取る難しさから厳しい経営状況が続いている。

 県が25日、オンラインで開いた双葉郡等避難地域の医療等提供体制検討会で示した。新たに開設されたり診療を再開したりした48の医療機関の内訳は、病院が2、診療所が32、歯科診療所が9、薬局が5。

 広野町は検討会で、町内で人工透析を受けられるクリニックの開業が遅れる見込みだと説明した。クリニックについては、いわき市の医療法人が新年度中の開業を目指していた。

 各市町村の担当者からは「診療所の診療日数を増やしたが、患者が少なくて費用対効果が良くない」「医療、介護ともに人手不足で応援医師の派遣が続くのか不透明だ」との意見が出た。

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