福島県三春町は8日、町立三春病院の指定管理者となっている星総合病院(郡山市)が来年3月31日で運営から撤退すると発表した。三春病院は同4月から休院する見通し。町唯一の第2次救急医療機関(救急協力病院)で一般病床を備えるが、赤字経営が続いていた。
町と星総合病院によると、運営に必要な物価の高騰や患者数の減少、医師不足などが理由。昨年度決算は1億5500万円の赤字だった。本年度から86床ある病床を40床減らしたり、診療科目の縮小などに取り組みながら運営継続に向けた話し合いが進められてきた。しかし、指定管理業務を継続できないという結論に至ったという。指定管理期間は10年更新、2027年3月末までだった。
三春病院の指定管理取り消しを求める申し出に対し、町保健福祉課は「これから半年で後任の医療機関を見つけるのは困難」とした上で「通院、入院する患者さまへの今後の対応を確認し、町としても必要な善後策を検討したい」と話した。
三春病院の休院見通しに町民からは驚きと不安の声が出ている。福祉事業所の70代男性役員は「赤字だからもうやめるというのは困る。もう少し町と話し合って運営できないものか」と述べた。