日銀福島支店は12日発表した9月分の県金融経済概況で、県内景気について11カ月間連続で「足踏みしている」とし、総括判断を据え置いた。
個人消費では、7月の主要小売業販売額が前年比3・3%増で、3カ月連続のプラスとなった。消費者の節約志向の高まりで購入点数は限られているが、気温上昇でアイスや飲料など季節商品の売り上げが増えた。一方、観光面では、猛暑による外出控えや7月のロシア・カムチャツカ半島付近を震源とする地震の津波警戒に伴う旅行のキャンセルなどが影響した。
鉱工業生産は、輸送機械や人工知能(AI)で需要が拡大。電気自動車(EV)需要の減速や一部自動車メーカーの販売不振により、関連部品メーカーでは弱めの動きが続いている。
福島市の7月の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年比2・7%増。米価高騰の影響は徐々に一巡すると見込まれるが、物価指数は引き続き高めの伸びが続くと見込まれる。
福島支店で記者会見した森下謙太郎支店長は日米関税交渉の影響について「合意自体は前進。先行きの不確実性の低下にもつながる」とした上で「現時点で先行きを見極められる状況にはない」との認識を示した。