双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館は20日、開館から5周年を迎えた。設置者の県は節目を記念し、高村昇館長(長崎大教授)の解説で館内を巡る特別ツアーを開き、参加者が伝承館の歩みを振り返るとともに、震災と東京電力福島第1原発事故の教訓を未来へ伝える意義を考えた。
高村館長によるツアーは初の試みで約20人が参加した。高村館長は被曝(ひばく)医療を専門とし、震災から1週間後に本県の放射線健康リスク管理アドバイザーに就き、福島と関わってきたことをなどを紹介。また、展示物を通して震災前の相双地域の暮らしや原発との関わりを示した上で「日本では原子力に対する安全神話があったが、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故によってそれが覆された」と説明した。
10月までパネル展
県は同日から、館内で伝承館の開館5年の歩みを紹介するパネル展も始めた。建物完成までの経緯や資料収集の様子などを紹介している。10月20日まで。
また10月4~20日は、伝承館の語り部の話を基に制作した福島民友新聞社出版の絵本「ぼくのうまれたところ、ふくしま」の企画展が開かれる。
開館時間は午前9時~午後5時。火曜日休館。問い合わせは県生涯学習課(電話024・521・7784)へ。