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営農再開へ稲刈り 浪江・室原地区、安全性など確認

2025/09/21 08:35

「天のつぶ」の収穫や収穫した稲を天日干しする組合員ら

 浪江町は20日、特定復興再生拠点区域(復興拠点)の室原地区の田んぼで、試験栽培していたコメの稲刈りを行った。室原地区では東京電力福島第1原発事故による避難指示が解除されてから3回目の稲刈りで、町は収穫したコメの安全性などを確認し、早期の営農再開を目指す。

 今回の試験栽培では、放射性セシウムの吸収抑制効果がある塩化カリウムを使用した区域と使用しない区域で分け、コメのセシウム吸収濃度の差などを調べた。稲刈りには室原復興組合の組合員ら約20人が参加し、水田約10アールに植え付けられた「天のつぶ」を機械で刈り取ったほか、前日に刈ったコメを天日干しした。高田秀光組合長(74)は「コメの出来も良かったように見えた。少しずつ営農再開に近づいている」と語った。

 町内では、同地区と津島地区が「農地保全・試験栽培区域」となっており、コメの出荷ができない。津島地区でも試験栽培を行っており、10月に収穫する予定。町は今後、収穫したコメの安全性などを確かめ、各地区と話し合って、国に作付け制限解除を要望する。

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