福島県郡山市の駅前で1月、大阪府から受験で訪れていた女性=当時(19)=がはねられ死亡した事故で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)と酒気帯び運転の罪に問われた同市昭和1丁目、無職の男(35)を懲役12年(求刑懲役16年)とした地裁郡山支部の裁判員裁判判決について、福島地検は1日、控訴しないと明らかにした。理由は「コメントしない」とした。
裁判を巡っては、女性の遺族が9月22日、「一般社会の考え方に照らし、判決内容は軽いものと考えている」と量刑不当を訴え、控訴するよう地検郡山支部に申し入れていた。
地裁郡山支部によると、弁護側、検察側ともに1日午後4時50分時点で控訴していないという。1日が控訴期限で、双方が控訴しなければ実刑が確定する。
一審で被告は起訴内容を一部否認し、危険運転致死傷罪の成立を争っていた。地裁郡山支部は判決で「無謀な運転を継続した意思は厳しい非難に値する」と指摘したものの、死者が1人だったことなどを踏まえ「最も重い部類に属する事案とまでは言えない」とした。