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バド・パリ五輪代表の大堀彩さんたたえる みんゆう県民大賞表彰式

2025/10/05 08:15

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みんゆう県民大賞を受賞し野崎社長から盾を受ける大堀さん(右)=4日午後、広野町・ふたば未来学園中・高
「夢と希望を持つことが大切」と話し、生徒から花束を受ける大堀さん=4日午後、広野町・ふたば未来学園中・高

 県内で大きな功績を残した個人・団体を顕彰する第35回みんゆう県民大賞(福島民友新聞社主催)のスポーツ賞を受賞したバドミントン女子シングルスパリ五輪代表の大堀彩さん(29)=会津若松市出身=の表彰式が4日、広野町のふたば未来学園中・高で、同校の創立10周年記念式典に合わせて行われた。

 大堀さんは6歳で競技を始め、富岡一中在学時に東京電力福島第1原発事故が発生。避難先の猪苗代町で競技を再開し、富岡高時代はアジアユースで日本人初優勝を果たした。五輪出場の夢をかなえたパリ五輪は女子シングルスで8強入りした。昨年12月に現役を引退、現在はトナミ運輸バドミントン部テクニカルアドバイザーを務める。

 表彰式では、福島民友新聞社の野崎広一郎社長が大堀さんに表彰状と記念のボードを贈った。大堀さんは「福島で生まれ育ち、幼少期から県民に支えられて生きてきた。おかげで夢を実現することができ、感謝の気持ちでいっぱい。受賞は喜ばしいと同時に、さらなる高みを目指して身が引き締まる思いだ」と述べた。

 第35回みんゆう県民大賞は大堀さんのほか、芸術文化賞に芥川賞作家の鈴木結生(ゆうい)さん(郡山市出身)、ふるさと創生賞にサッカーJ2いわきFCを運営するいわきスポーツクラブ社長の大倉智さんが選ばれた。

 「夢へ目標持って」 大堀さん、後輩にエール

 第35回みんゆう県民大賞スポーツ賞を受賞したバドミントン女子シングルスパリ五輪代表の大堀彩さん(会津若松市出身)は4日、広野町のふたば未来学園中・高で同校の創立10周年記念講演に臨んだ。母校・富岡高の伝統を受け継ぐふたば未来学園の生徒たちに「努力を惜しむと夢は遠ざかる。努力を惜しまない人になってほしい」と努力の積み重ねを訴えた。

 東日本大震災発生時は富岡一中2年で、富岡高体育館でバドミントンの練習中だった。東京電力福島第1原発事故に伴い栃木県の祖父母宅への避難を余儀なくされ、その後、猪苗代町で活動を再開すると、好成績を残していった。「震災前の不自由のない日常のありがたみを痛感し、練習に集中した。仲間や受け入れてくれた猪苗代の皆さんの存在が大きかった」と感謝した。

 高校卒業後、実業団に入ったものの結果を残せず、東京五輪出場を逃した。パリ五輪へ向けて「二度と後悔しないため、最善を尽くそうと決心した」。心技体がそろうと成績が好転、念願の五輪切符をつかんだ。大堀さんは「成功者は努力している。夢を達成するため、明確な目標を持って行動に移して」と力説した。

 パリ五輪の思い出や気持ちの切り替え方など、生徒からの質問にも応じた。感謝の花束が贈られたほか、平田涼(すずか)さん(高校3年)からお礼の言葉を受けた。

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