福島市中心部にある商業施設「MAXふくしま」の1~2階部分に入るダイユーエイト直営店の一部が12月末で閉店し、店舗改装を経て総合ディスカウントストア「MEGA(メガ)ドン・キホーテ」が出店する見通しとなった。両社が業務協力する形で、来夏前の開店を目指す。2010年のMAXふくしま開店から15年、中合福島店やイトーヨーカドー福島店の閉店が相次いだ中心市街地を活性化させる起爆剤として、若者を中心とした集客力を高めたい考えだ。
ダイユーエイト(福島市)の浅倉俊一会長・CEOが20日、福島民友新聞社の取材に明らかにした。MAXふくしまは6階建てで、市の第三セクター福島まちづくりセンターが所有・運営、1~2階をダイユーエイトがキーテナントとして運営している。開店時に両社が交わした契約が今月で満了する中、ダイユーエイトがさらなる活性化策を模索。出店要望があった数社のうち、中心市街地への出店や若者の集客を得意とするドン・キホーテの運営会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)との業務協力を決めた。
ダイユーエイトがPPIHに1~2階の一部を貸す形で、メガドン・キホーテが力を入れる食品スーパーのほか、日用品や雑貨などを販売する見通し。ダイユーエイトは自転車店や生花店、フードコート、百円ショップなどの運営・管理を継続する。3階以上の学習塾や生涯学習施設アオウゼ、映画館などは現在のままで、施設全体のテナント数20も変わらない。メガドン・キホーテ出店部分以外のテナントは、店舗改装中も営業を続ける。県内のメガドン・キホーテ出店はいわき、会津若松両市に続き3店目。ダイユーエイトとPPIHの両社が協業体制を敷くのは今回が初めてで、浅倉氏は「今後も業態を超えた連携を模索していく」としている。
市街地活性化の起爆剤に
福島市の中心市街地を巡っては、2020年にJR福島駅東口の中合福島店、24年には駅西口のイトーヨーカドー福島店が閉店するなど、空洞化が深刻化。中合跡地の再開発事業は途上で、イトーヨーカドーの跡地利用は検討中の段階だ。
一方、MAXふくしまは05年に閉店したさくら野百貨店のビルに10年11月に開店した。中心市街地の空洞化を懸念する市の打診にダイユーエイトが応える形で出店。各階のテナントや福島まちづくりセンターが運営するアオウゼなどと共に官民一体の運営体制を取り、中心市街地活性化に貢献してきた。
こうした状況を踏まえ、浅倉氏は「ドン・キホーテの出店で来店の動機付けが一層高まる。(PPIHと)業務協力し合うことで、中心市街地への吸引力の核になることを目指せるのではないか」と強調。福島まちづくりセンターの森雅彦社長は「中合やイトーヨーカドーが閉店し、中心市街地の商業施設としてMAXの重要性は増している。(官民連携の)体制を守りながら『さらなる起爆剤を』と模索していただいたことは所有者としてもありがたい」と語った。福島商工会議所の渡辺博美会頭も「世界規模の企業が入ることで、中心市街地活性化につながるのではないか」と期待感を示した。
