浪江町が浪江小跡地に整備する産学官連携施設の建設工事安全祈願祭が17日、現地で行われた。企業の研究開発や町に関わる大学の活動を支援する拠点とし、人材育成や新産業を長期的に生み出す環境づくりにつなげる。来年度中の利用開始を目指している。
施設には貸しオフィス24室や会議室、最大90人収容のホールなどを整備する。3Dプリンターや工作機を設置できる多目的工房や、商談・交流ができるオープンスペースも設ける。貸しオフィスには大学や企業が入る予定で、入居者公募を新年度に始める。
施設は木造2階建て。延べ床面積2986平方メートル。浪江小跡地には、研究開発や人材育成などの機能を持たせた東北大独自の研修施設「FUKUSHIMA浜通り拠点」(仮称)と、JR浪江駅周辺の公共施設に太陽光や水素エネルギー由来の電気を供給する拠点「エネルギーセンター」も整備される予定だ。
安全祈願祭では吉田栄光町長がくわ入れした。吉田町長は「地域に根付く産業の創出と交流人口の拡大を図り、町の復興を着実に進めていく」と述べた。東北工業建設(浪江町)が施設の建築施工を手がける。