東日大昌平中(福島県いわき市)は21日、不登校の中学生向けのフリースクールを、同じ学校法人昌平黌が運営する東日本国際大キャンパス内に開設したと発表した。不登校の低年齢化が課題となる中、多様な人材と関わることができる大学キャンパスを拠点に、学校復帰や社会的自立に向けた支援を行う。学校法人の付属中学校がフリースクールに取り組むのは県内初という。
「サポートステーションブリッジ」と題した事業で、今月1日にスタートした。本年度の定員は20人程度。地域の不登校の生徒を東日大昌平中の転校生として受け入れる。既に7人が学んでいる。専任の非常勤教員2人と兼任の支援教員3人を配置。図書館などキャンパス内の施設を活用し、学習や体験活動を行う。フリースクールから東日大昌平高、東日本国際大、いわき短大に進学した学生には、法人全体による一貫した支援を行う方針だ。
昌平黌によると、いわき市内の小中学校の不登校児童生徒は2022年度の調査で473人(中学生346人、小学生127人)に上り、増加傾向にある。記者会見した緑川浩司理事長は「『1人も取り残さない』という建学の精神に合った事業。地域社会に人材を出していきたい」と意欲を語った。フリースクールの問い合わせは東日大昌平中(電話0246・85・5005)へ。