郡山市中田町で127年続く和菓子店「お菓子処(どころ)かど屋」(神山菓子店)の看板商品。「みそ万寿(まんじゅう)」(1個120円)は、みそが香るふんわりもっちりした山吹色の皮に、口溶け滑らかな自家製こしあんがぎっしり。優しい甘じょっぱさがどこか懐かしさを感じさせる。
調理や工業技術など各分野で卓越した技能を持ち、その道の第一人者とされる「現代の名工」(厚生労働大臣表彰)に今年選ばれた4代目の神山典之さん(50)と、父で3代目の修一さん(76)が製造する。皮は神山家秘伝の国産丸大豆みそ、地元の神山味噌醤油(みそしょうゆ)店のしょうゆ「吉之助」、希少な沖縄黒糖を独自の配合で加えることで、ふんわりもっちりした食感に。北海道十勝産小豆を使い、砲金釜でじっくりと優しく煮詰め上げたこしあんは、小豆の味わいが引き立つ。
店頭にはみそ万寿をはじめ、黒糖の香り高い「和すけ萬頭(まんじゅう)」(1個140円)、「あげまんじゅう」(150円)、黒糖を使った昔ながらの焼き菓子「五銭ぱん」(5個入り700円)など常時10~20種類が並ぶ。地元住民のほか、県内外から客が足を運び、午前中で売り切れることも。「世の中おいしい食べ物であふれ、砂糖を使わない菓子も人気だが、『和菓子は心の栄養』といわれるように、おいしい和菓子を食べると幸せな気持ちになれる」と典之さん。「日本茶はもちろん、コーヒーにも合う。まんじゅうはそのままで十分においしいが、意外にもオリーブオイルをかけるのが私のお勧めです」
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お菓子処かど屋 郡山市中田町高倉字下ノ沢84。電話024・943・1917。営業時間は午前8時半~午後6時半(商品がなくなり次第終了)。火曜定休。
