東北電力会津若松支社は4日、会津若松市の同社で福島大食農学類の望月翔太准教授による「ツキノワグマ講演会」を開き、参加者がクマの生態や被害に遭わないための対策を学んだ。
同社やグループ企業の社員ら約200人が参加。工事関係者はクマの生息域に近づくこともあり、正しい知識を持つことで安心して作業してもらおうと開催した。
望月准教授は、足跡やふんなどの痕跡を手がかりにクマの存在を把握することが必要だと指摘。足跡は前足が丸みがあって横長で、後ろ足はかかとが長く人間の足に似ていて、5本の指の跡がくっきりと残るといい、ふんの特徴も説明した。
クマと遭遇した際は、刺激しないことを求めた。クマを興奮させる行動として▽大声で威嚇する▽石や棒を投げる▽写真や動画を撮ろうと近づく▽背中を向けて走って逃げる▽(クマを挑発する)小型犬を自由にしておく―などを挙げた。
至近距離でクマに遭遇した際はうつぶせになり、手で頭や首を守ることが有効だとした。その上で望月准教授は「クマを刺激しないことが何より大切だ。背中を見せずにゆっくり後退してほしい」と呼びかけた。
