大倉社長コラム〈82〉WALK TO THE DREAM フットボール委員会
◆いわきスポーツクラブ・大倉智社長
◆強化の考え見える化を
Jリーグが9月末に設立した「フットボール委員会」に、委員の一人として選んでもらった。今回は委員会設立の経緯や目的、委員としての自分の役割について、私の理解を伝えたいと思う。
一番の目的は、日本サッカー協会(JFA)と足並みをそろえて日本のフットボールを考えることだ。より具体的に言えば、JFAが打ち出している日本サッカー界の大きな方向性「JAPAN WAY(ジャパンズ ウェイ)」に沿いながら、「2030Jリーグフットボールビジョン(世界で最も人が育つリーグ)を達成するための方向性を整理しよう」という話だ。
ビジョンが決まれば、付随してリーグ戦の日程、外国人枠、選手契約などの仕組みや手法の方針も決まってくるはずだ。こうした多岐にわたる事柄について考えをまとめ、実行委員会や理事会に起案することが委員会の大きな役割になる。
ここからは私見になるが、日本サッカーの強化には、まず世界との差を見える化(データ化)することが必要だと思う。例えば「インテンシティー」とは何か。いろいろな定義があるが、サッカー界としての一つの定義があっても良いと思う。
いわきはこの7年間、「魂の息吹くフットボール」や「フィジカルスタンダードを変える」という大きな目標に向かって選手の状態やプレーを数値化し、定量的に管理する取り組みを続けてきた。
内田篤人ら元プロ選手やJFAの反町康治技術委員長、Jクラブの社長など、委員の顔触れは多種多彩。当然サッカー観も十人十色だ。だからこそ感覚的な議論ではなく、さまざまな事象を見える化し、ファンに分かりやすく伝えることが大切だと思う。その点で、いわきのノウハウが改革の一助になれると信じている。
おおくら・さとし 川崎市出身。早大商学部卒。現役時はJリーグの柏レイソルやジュビロ磐田などでFWで活躍。引退後はセレッソ大阪チーム統括ディレクター、湘南ベルマーレGM、社長などを歴任し、2015年12月から現職。53歳。
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