外国のスキー客に照準 「裏磐梯に来ればきっとリピーターになる」

 
「裏磐梯だけでなく会津や本県の観光を世界に売り込みたい」と話す金光さん

 「裏磐梯に来ればきっとリピーターになる。それだけの魅力がある」。北塩原村のスキー場、グランデコリゾート販売促進主任金光弦太さん(44)は東日本大震災以降、全国を飛び回り誘客活動を続ける。

 震災と東京電力福島第1原発事故の影響で来場者数は落ち込み、昨季まで14~15万人台と震災前と比べ1万5000人ほど減少が続いた。「スキー場は原発事故の風評に左右されにくかった」。金光さんは本県観光産業の中でもスキー場は影響が小さかったと分析する。今季は、暖冬で全国的に雪が少ない中、同スキー場は積雪を確保できたことから、大勢のスキー客が訪れ、来場者数は震災前と同水準になる見通しだ。
 震災後減少していた車の県外ナンバーの比率も回復しているという。「誘客効果が出ているが、喜べない。スキー人口の減少を前提に新たな客層を狙っていきたい」と次は外国人に照準を合わせる。

 新たな誘客策として海外のインターネットサイトにスキー場の案内や天気などを毎日英語で書き込んでいる。外国人の従業員を雇用して接客力も強化。自ら欧州やアジアの各国を訪れ、旅行業者向けの展示会などで売り込みをかけている。

 「旅行者は簡潔なルートでより多くのことを楽しみたい。誘客は一つの施設だけでは弱い」と金光さんは語る。「裏磐梯だけでなく会津や県など広域で世界に売り込みたい」。風評被害を乗り越えるレジャーの力を知るからこそ、金光さんは福島の持つ観光の底力を信じている。