【59市町村・この10年】沿岸に発電所や浜の駅 相馬市

 
復興市民市場や尾浜こども公園が整備された沿岸部。原釜尾浜海水浴場も再開した=2021年2月

 東日本大震災と津波などで486人が犠牲となった。住宅被害は5584棟で、磯部、原釜地区などの沿岸部が津波で消失。東京電力福島第1原発事故に伴い南相馬市などの避難者を受け入れ、閉鎖までの99日間に避難所で生活した人は延べ14万人以上に及んだ。

 2011(平成23)年4月30日に応急仮設住宅の入居を開始。仮設住宅では住民の状況把握のため「組長戸長制度」を導入した。被災高齢者の共同住宅「井戸端長屋」も建設。13年3月には程田地区に県内被災地で初めてとなる戸建て災害公営住宅が完成した。19年1月からは住民への払い下げが進められた。

 17年6月に津波で大きな被害を受けた磯部地区で大規模太陽光発電所(メガソーラー)が稼働。18年7月には相双地区で震災後初の海水浴場再開となる原釜尾浜海水浴場を開設。20年10月に尾浜地区に尾浜こども公園や復興市民市場「浜の駅 松川浦」がオープンし、沿岸部のハード面の整備が一定の節目を迎えた。