2025年度の日本記者クラブ賞に決まった日本経済新聞社論説委員会「春秋」担当兼総合解説センター編集委員の大島三緒氏(68)への贈賞式が29日、東京都内で開かれた。朝刊1面のコラム「春秋」を約20年にわたり執筆し、コラムの価値を高めたと評価された。大島氏は「コラムは紋切り型の言葉を避けるが、『身に余る光栄』という常とう句しか浮かばない」とあいさつ。笑いを誘った。
大島氏は言論空間で交流サイト(SNS)が存在感を増す現状に触れ「荒い言葉が飛び交い、権力を持つ人がそれをあおる場合もある」と指摘。SNSに比べてコラムは「地味」だとしつつ「受賞は私だけでなく、コラムを書く人の道を照らす大きな光になる」と感謝を述べた。
粘り強い取材で官邸の機密費に切り込んだ中国新聞社「決別 金権政治」取材班と、岡山県の療養所で、三重県出身の元ハンセン病患者と家族に寄り添った三重テレビ放送ハンセン病問題取材班に特別賞が贈られた。