石破茂首相は9日、リトアニアのナウセーダ大統領と官邸で会談し、「欧州とインド太平洋の安全保障は不可分だ」と述べ、安全保障分野で連携強化を図る考えを示した。両氏は機密情報の交換を可能にする情報保護協定の締結の可能性を検討するため、議論開始で一致した。ナウセーダ氏は「両国の貿易や投資の機会はますます拡大する。関係発展に貢献したい」と語った。
首相はロシアのウクライナ侵攻を巡り、リトアニアについて「最前線として極めて重要な役割を担っている」と強調した。法の支配に基づく国際秩序維持に向けた協力を要請。再生可能エネルギーや海洋、宇宙分野での連携にも意欲を示した。
ナウセーダ氏は、第2次世界大戦中に杉原千畝駐リトアニア領事代理が、ナチスに迫害されたユダヤ人にビザを発給したことに触れ「日本との絆になっている」と言及した。