斎藤元彦兵庫県知事の疑惑告発者の私的情報を巡り、元総務部長に斎藤氏らが漏えいを指示した疑いがあるとして、上脇博之神戸学院大教授が告発状を神戸地検に提出した10日、県議会各会派は状況を注視する姿勢を示した。斎藤氏が関与を否定する中、告発が受理された場合は捜査を見守るとし、事実関係の究明を期待する声も聞かれた。
告発状は地方公務員法(守秘義務)違反などの容疑で、井ノ本知明元総務部長と斎藤氏、片山安孝元副知事の3人が対象。上脇氏は記者会見で「発端が知事の命令で、このまま見過ごすことはできない」と語った。
これまで議会側にも刑事告発を模索する動きがあり、主要4会派が井ノ本氏の告発を県に要請したが、県は「懲戒処分で社会的制裁を受けている」ことなどを理由に拒否。議員有志での告発も一部で検討されている。
上脇氏の告発状提出後に取材に応じた県議会公明党の越田浩矢幹事長は「捜査を見守る。議会としての告発は必要がなくなったかなと認識している」と説明した。