茨城県つくば市の農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)や東北大などの共同研究グループは5日、地球温暖化の一因である一酸化二窒素の放出を抑制するダイズを開発したと発表した。農地からの温室効果ガス発生を減らし、地球温暖化の抑制に寄与すると見込む。
ダイズは育成過程で、空気中の窒素を取り込み、土壌の微生物を活用して栄養に変えることができる。しかし、根の一部分は収穫後に一酸化二窒素の発生源になるという課題があった。一酸化二窒素を分解できる特定の微生物に着目し、その微生物と共生しやすく改良したダイズを開発した。
農研機構によると、人の営みや社会活動による一酸化二窒素の発生源の約6割は農業が占める。作物を収穫した後に残る葉や茎などが要因で、農地からの排出量の削減は重要な課題だという。
今後は味の向上や安定した収穫量の確保など、食用への展開に向けて研究を続けるとしている。東京都内で記者会見した農研機構の今泉温子グループ長は「食べ物のダイズが地球温暖化の抑制につながることは意義深い」と話した。