北海道北広島市の自立支援施設に放火して男女2人を焼死させたとして、殺人と現住建造物等放火の罪に問われた元入居者の無職荻野正美被告(70)の裁判員裁判が10日、札幌地裁であり、検察側は懲役30年を求刑した。弁護側は、被告は心神喪失状態だったとして改めて無罪を主張、結審した。判決は17日。
検察側は論告で「多数の入居者の生命を危険にさらす違法な行為と理解し、立ち止まることもできたのに放火したのは社会として許容できない」と指摘。その上で、無期懲役刑を選ぶべきだが、服薬が原因の「せん妄由来の思い込み」が影響したことを酌量し、懲役30年が相当とした。