前線の影響で、11日午後、東京都内や周辺で大雨となった。世田谷区などで記録的な雨量になり、東京都によると、同区を流れる谷沢川の矢川橋付近や、品川区を流れる立会川の立会川橋付近で氾濫が発生。新幹線など交通機関にも見合わせといった影響が出た。気象庁は土砂災害や低い土地の浸水への厳重な警戒を求めた。東―西日本は12日にかけて激しい雨が降る恐れがある。
気象庁によると11日午後、世田谷区で1時間に92・0ミリ、大田区で88・5ミリの猛烈な雨が降り、いずれも観測史上最大になった。レーダーによる解析では港区付近など各地で1時間に100ミリ以上降ったとみられ、記録的短時間大雨情報が相次いで発表された。
西日本から東日本に停滞する前線に向かって流れ込む暖かく湿った空気や上空の寒気の影響で、大気の状態が非常に不安定になった。東京付近では南風と東風がぶつかって上昇気流ができ、積乱雲が次々と発達したとみられる。
前線は12日は次第に不明瞭になるが、大気が非常に不安定な状態が続く。落雷や竜巻などの激しい突風にも注意が必要だ。