原子力規制委員会は17日、東京電力福島第1原発事故の発生直後に使えなくなったとみられていた1号機の冷却装置「非常用復水器(IC)」が、12日ほど後に一時的に動いた可能性があるとの調査結果をまとめた。炉心溶融を起こした1~3号機のうち、ICは1号機にしかなく、当時の作動状況は未解明の点が多かった。
開発中の次世代型原発にはICを採用するものがあり、規制委は将来に向け教訓を得るためにも調査を続ける。山中伸介委員長は定例記者会見で「本当に事故対策に使えるか、しっかり調べる必要がある」と述べた。
ICは原子炉圧力容器の高温蒸気を水タンク内の配管に通し、冷やして水に戻す非常用の装置。