【パリ共同】2007年のフランス大統領選に勝利したサルコジ元大統領(70)が、独裁者だったリビアの故カダフィ大佐側から巨額の選挙資金を不正に受け取ったとされる事件で、パリの裁判所は25日、サルコジ被告に禁錮5年の判決を言い渡した。被告は後日収監される見通し。フランスメディアが伝えた。
裁判所は汚職罪など一部を無罪としたが「側近らに選挙資金獲得を目的とした行動を許容した」として共謀罪を認定した。検察側は今年3月、禁錮7年と罰金30万ユーロ(約5200万円)、5年間の被選挙権停止を求刑していた。
サルコジ被告は無罪を主張。上級審に控訴する見込み。検察が1カ月以内に収監日を通告する。
被告側は大統領選前にカダフィ氏側と「協定」を結び、資金支援を受けたとされる。検察側は論告求刑で被告を協定の決定権者だと指摘。「野心や権力への渇望、強欲に駆られた強烈な汚職」と非難していた。
被告の大統領任期(07~12年)中の11年3月からフランスは国連安保理決議に基づき、米英と共にリビア内戦に軍事介入して反体制派を支援した。