アサヒグループホールディングスが受けたサイバー攻撃を巡り、ハッカー集団が犯行声明をインターネットのダークサイト上に公開したことが8日、セキュリティー会社への取材で分かった。従業員の個人情報や社内情報を含む約9300件のファイル、27ギガバイト分を盗んだと主張。アサヒは「事実関係や内容を調査中だ」とコメントした。
アサヒが受けたサイバー攻撃は、身代金要求型コンピューターウイルス「ランサムウエア」。アサヒは、ハッカー集団側とやりとりがあるかどうかを含めて明らかにしていない。
セキュリティー関係者によると、このハッカー集団は「Qilin」と名乗る集団。ロシアに拠点があるとみられ、2022年ごろから活動している。
米セキュリティー企業プルーフポイントの日本法人の増田幸美氏は「ハッカーはアサヒ側と直接交渉しても身代金を奪うことができず、公開してさらなる脅迫をして圧力をかけているのだろう」とした。
アサヒは9月29日にサイバー攻撃を受け、10月8日時点で復旧のめどが立っておらず、ビールなどの出荷が滞っている。