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「空気を自在に制御したい」 化学賞北川さん、応用へ意気込み

2025/10/09 16:37

 ノーベル化学賞に選ばれた京都大の北川進特別教授

 ノーベル化学賞に選ばれた北川進京都大特別教授(74)は9日、京大で共同通信の取材に応じ、開発した新材料「金属有機構造体」を応用することで「空気を自在に制御できる科学技術を打ち立てたい」と意気込みを語った。

 スウェーデンの王立科学アカデミーは、無数に開いた微小な穴に物質を出し入れできる金属有機構造体が、二酸化炭素(CO2)を大気から回収したり、発がん性が懸念される有機フッ素化合物(PFAS)を水から分離したりする技術に貢献する可能性があると評価した。北川さんは「CO2など目的物を分離し、低エネルギーで有用なものに変換することで、大きな貢献ができれば素晴らしい」と話した。

 1990年代、北川さんは、内部に微小空間が規則正しく並んだジャングルジムのような金属有機構造体を合成することに成功。大量の気体を出し入れできることを初めて示した。

 97年に論文を出し、米国の会議で発表した。「『測定の間違いだ』と集中砲火を浴びて落ち込んだ」と振り返った。一方で、学術的に正しく必ず認められると確信していた。

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