高市早苗首相は21日、物価高対策を柱とする経済対策の策定を閣僚に指示した。地方への交付金拡充、ガソリン減税、冬場の電気・ガス料金の支援などを盛り込み、裏付けとなる2025年度補正予算案を臨時国会へ提出する方針だ。物価高騰が賃金上昇の勢いを上回る中で、政治空白によって停滞した対策の取りまとめを急ぐが、年内成立に向けた時間的余裕は少ない。
高市氏は会見で「手取りを増やし、家計の負担を減らすための経済対策だ。米国の関税による影響の緩和にも万全を期していく」と述べた。金融政策については「手法は日銀に委ねられるべきだ。日銀と意思疎通を図っていく」と強調した。
経済対策では自治体が自由に使える交付金を補正予算で積み増す。赤字の中小企業が賃上げできる環境を整える。ガソリン税に上乗せされる暫定税率を廃止することで連立を組む日本維新の会と合意しており、関連法案を臨時国会で成立させることを目指す。収益が悪化している病院や介護施設のほか、資源価格の高騰に苦しむ農林水産業も支援する。